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J鉄局TOP>珍車ギャラリー>熊本市電 8201
* 8201 市立体育館前 93.2.14 日本初のインバーター制御車 熊本市交通局 8201大正13年8月。熊本市電車部として開業した熊本市電は、昭和38年度には営業路線25.0km、一日の平均乗客数は11.6万人を数えるまでに成長しました。 しかし他都市の路面電車と同じく、モータリゼーションの波に抗することが出来ず、あいついで路線が廃止され 昭和53年度末までに全廃される計画までもち上がったのです。 そんな熊本市電は、折からの石油危機に加え、代替交通機関の資金調達がままならぬことから、 一転,存続を決定します。 そういうわけですから、かろうじて生き残ったともいえるわけですが、 熊本市電は公営であるのにもかかわらず、積極策に打って出ます。 まず昭和53年には、路面電車では初の冷房車を導入。 そして、昭和57年には、今回取り上げる、8201形インバータ制御車が登場するのです。 今や、新造される電車のほぼ全てが、インバータ制御車であることからすれば、路面電車であっても インバータ制御車は何も珍しいものではありません。 しかし昭和57年当時、日本初のインバータ制御車が、路面電車で、それも青息吐息だった公営交通から デビューしたことは特筆するに値すると思われます。 路面電車を市民の足として、残すと決めた以上、交通局として利用者増を目指すのは、当然のことで、 この新車についても市民に愛称を公募するなど、市民が路面電車に振り向いてくれるよう、積極的な働きかけがなされました。 それだけに導入当初、この新車が順調に動いてくれるかは、大きな問題だったと思われます。 8201形が導入された昭和57年当時、まだ海のものとも山のものともつかぬインバータ制御、 そして交流モータを導入するのは、大変、勇気のいることだったと思われます。 我が国において、路面電車がインバータ制御の第1号となったのは、その出力の小ささと、電源電圧の低さ(600V) そして高周波による信号機器への影響を鉄道線ほど考えなくてすむ。といった点があげられます。 しかし、8201のモータは路面電車としては異例の120kwという高出力。 加えてそれを1台車に一つ装架し、同時に2軸を駆動するといった凝りに凝った構造になっています。 まさにいろんな方面での実用試験ともいえる運行に不安がなかったといえば嘘になるでしょう。 インバータ制御は交流モータとともに、メンテナンスフリーといった点が大きなメリットで、 投資時、多少のコスト高があっても人件費等の削減ですぐ取り戻せることから、いまやあらゆる電車の標準仕様です。 インバータ制御、実用第1号車である熊本市電8201形を陰で支えたメーカー そして熊本市交通局のスタッフのご苦労を忘れてはならないと思うのです。 参考文献;鉄道ピクトリアル #688、593「熊本市交通局」共に細井敏幸氏 #551「インバータ制御車の現況」宮田道一氏 「インバータ制御車総覧」曽根悟氏 積極的な投資をする一方で、 従来からある資産を有効利用することも大切なことです。 この8500形は、旧型車の台車やモータを再利用した車両で 見た目には8200形と代わらないように見えますが、 車両調達コストは、大幅に抑えられています。 このように上手にハイ、ローミックスすることで イメージアップを図りながらも経費を抑える熊本市交通局の やり方を私は評価したいと思います。
8501 水前寺駅通り 93.2.14 |
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