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J鉄局TOP>珍車ギャラリー>近畿日本鉄道 西信貴鋼索線 コニ7形
−近畿日本鉄道 西信貴鋼索線 コニ7形 −かつて珍車ギャラリーで生駒鋼索線(宝山寺1号線)のコ11形をご紹介しました。見るからに強烈なインパクトの車体をもつ「ブル」と「ミケ」は、一度見たら忘れられないくらいの存在感です。 対して今回ご紹介するのは、おそらく最小、最軽量の鉄道車両で、その存在感のなさでは他に例を見ないものです。 画像をご覧ください。近鉄 西信貴鋼索線です。
「なーんだ。普通のケーブルカーではないか。」 と思われるかもしれません。 でも、よーくご覧ください。前になんかくっついてます。 気付かれましたか? この存在感のなさ! これこそが今回ご紹介する「コニ7形」です。 こんなのでも(失礼!)ちゃんと車籍があります。 同じ色に塗られてしまっていてよくわかりませんが、正面右下に小さいですが立派なプレートがあります。 、ケーブルとはいえ鉄道です。人のみならず貨物輸送したって何もおかしくありません。 しかし、車籍を有するケーブル線用貨車はこのコニ7形をおいて他には無いようなのです。 さて、黒部アルペンルートには、立山駅から美女平まで鋼索線があります。 立山開発鉄道(現在は立山黒部貫光)が1954年に観光用に敷設したものですが、 ここでは山上道路へ観光バスを運ぶ必要から山下側に貨車を連結しました。 コニ7形とは比べものにならないくらい大型の車両で、小振りながらも立派な乗務員室まで付いています。 しかしながら、私鉄車両編成表1983年版においても2011年版においても、その存在は示されているのですが、車両形式は示されておらず。 車両数総括表(83年版)には、その数にも含められていません。 また、近鉄にあっても、生駒鋼索線 宝山寺1号線のコ2形(2000年廃止)については、 コニ7形と同じく荷重1tの1軸貨車が存在していたようで、西信貴鋼索線と同じく山上側に連結されていたようです。 しかしこれについても、編成表83年度版で、その存在を確認することはできません。総括表においても同様です。 (ただし、コニ7形はちゃんとカウントとされているのですよ!。) 西信貴鋼索線は、信貴山電鉄により昭和5年12月、鉄道線の高安山 - 信貴山門間(山上線:営業キロ=2.1km)とともに開業しました。 信貴山口 - 高安山間の営業キロは1.319km(勾配長)、高低差354m 勾配は169-480‰と近鉄の鋼索線では最も急峻な路線です。 ここで、ポイントとなるのは、鋼索線の終点である高安山は、目的地ではないということです。 高安山駅は信貴山門駅へとむかう山上線への乗り換えポイントに過ぎず、乗客は目的地である信貴山朝護孫子寺へむかうのです。 山上線は、大戦中の1944年、不要不急の路線として廃止されたまま復旧されませんでしたが、 鋼索線は1957年に復旧、山上線は近鉄バスがその代役を果たし、信貴山朝護孫子寺へ参詣客を運びます。 そんなわけで、高安山で降りた乗客は、今もほぼ間違いなくバスに乗車します。 高安山には、展望台があるわけではありません。それどころか駅周辺には売店ひとつ無いのです。 よって、水道が引かれていません。 しかし、山上で働くケーブル運転手や乗務員さんのために、また、乗り換え客のトイレ用に水は必要不可欠です。 そう、この水を運んできたのがコニ7形だったのです。 再度、画像をご覧ください。 正面に信貴山のゆるキャラ「しぎとらくん」が描かれているのですが、コニ7形が邪魔になっていてチョット気の毒ですね。 ご心配なく、コニ7形は2両在籍しますが、通常1両しか使いません。 乗務員の方にお聞きしたら、おおむね1年ごとに取り替えているのだそうです。 山上の高安山駅には、現在、赤いコニ7が静かにその出番を待っています。 その時がきたら、ウィンチでつり上げられ軌道上に設置されコ7と連結される予定です。 それにしても、なぜこのように車両を取り替えるのでしょうか。 うかつにも聞き漏らしてしまいました。
生駒鋼索線は、ブルとミケなどに姿を変えてしまいましたが、元来、近畿日本鉄道の鋼索線では、奇数車を赤、偶数車を青に塗り分けてきました。 西信貴鋼索線においてもそうだったのですが、信貴山朝護孫子寺の虎にちなんで黄色に塗装されました。 (信貴山の毘沙門天王は寅に縁のある神として信仰されています。) しかし、愛称である 「しょううん」のところをご覧ください青色が配されています。 「しょううん」号は 青=偶数=コ8、コニ8となります。−−いうまでもありませんが、 「ずいうん」号は、 赤=奇数=コ7、コニ7となります。 参考文献 鉄道ピクトリアル 特集 日本の鋼索鉄道 1983年9月号 No421 鉄道ピクトリアル 特集 近畿日本鉄道 1981年12月号 No398 2003年1月号 No727 |
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